複数のカイコが協力して作るのが玉繭、写真の中央左の繭・・・大きいでしょ?
養蚕業では2~3%は出来ると言われ、富山県の松井機業さんではしけ絹にされ、紬になさる産地もあります。学校などで少ない数飼育する時には、なかなか玉繭には出会えないようで、お会いする方々によく質問されます。
『いのちのかんさつ4 カイコ』でも紹介したのですが、上の写真のように、まぶしを枝にすると、一枝に1個くらい玉繭が出来ました。『かえるよ!カイコ』を執筆した時には、このことには気付きませんでしたが、執筆のために1度に2000匹くらい飼育したために玉繭も出来ましたが、10個くらいで、2%の40個には及びませんでした。
本書は、10年ぶりの執筆でしたから、改めて群馬県を取材しました。
絹の里で江戸時代の様子を描いた浮世絵に、枝を持った女性が描かれていたのを見て、ご案内下さった、群馬県蚕業試験場のOB、清水氏におたずねしましたら、アジアでは今でも枝をまぶしにしている地域があると教えて下さいました。
私たちも、7匹くらいの熟蚕に一枝くらいの割合で、サザンカの枝を置いて観察しました。
枝を乗せたら、葉の上に登るのか? どんな様子になるのかと思いましたが、すぐに葉の陰に入り込んで、繭作りを始めました。特に面白かったのは、3匹で繭作りを始めて、いつの間にか2匹になりましたが、上の写真のように大きな玉繭を作ったことです。
この時は1枝で1個の玉繭が出来ましたが、次回機会がありましたら、玉繭の出来る率を考慮しながら、観察したいと思っています。
*この写真はボードの上なので、繭が汚れる可能性があります。
この後の観察では、新聞紙を敷きました。
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